映画に行くときにチラシを見かけ気になっていた作品。
リズと青い鳥もあって、百合熱が再熱しているこの頃にとっておき!
やっぱね。百合って素晴らしい。尊いとはこのことを言うんだよ。
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あらすじ
「どうか加瀬さんが、私のことを好きでありますように―――…。」
高校生は山田は、緑化委員の内気な女の子。
同じ学年の加瀬さんは、陸上部のエースで美人な女の子。
山田が植えたあさがおをきっかけに、
言葉を交わしたことがなかった二人の距離が少しずつ縮まっていく。
恋と青春の輝きだけを、ギュッと詰め込んだ物語。
登場人物
・山田結衣 CV.高橋未奈美
内気でおとなしい高校生。
緑化委員の活動に対する熱意は強く、放課後や休み時間には雑草取りや花壇の手入れを行っている。
・加瀬友香 CV.佐倉綾音
山田と同じ高校に通う高校生。
陸上部のエースで学校の人気者。
初めて言葉を交わす前から緑化委員の仕事を真面目にこなす山田の様子を見ていた。
・三河 CV.木戸衣吹
山田のクラスメイト。
テニス部に所属する、明るくムードメーカーの女の子。
スタッフ
原作:高嶋ひろみ
監督・脚本:佐藤卓哉
音楽:rionos
アニメーション制作:ZEXCS
原作
漫画:加瀬さんシリーズ(作者:高嶋ひろみ)
音楽
明日への扉
アーティスト:山田結衣(CV.高橋未奈美)&加瀬友香(CV.佐倉綾音)
「あさがおと加瀬さん。」カバーソング&オーディオドラマアルバム
サウンドトラック
作品の見どころ・まとめ
期間限定公開されているあさがおと加瀬さん。今回は、舞台挨拶付きで見てきたので、そのことを踏まえて見どころを書いていこうと思う。
残念ながら漫画はまだ読んでいないので漫画と関連付けて書くことはできないが、映画から入った新鮮な意見として見てほしい。
3人のキャラクターの特徴
まず見てほしいものは出てくる3人(山田・加瀬さん・三河)のキャラクターだ。
個人的に驚いたのは、山田が思ったより元気な子だったということ。
あらすじや人物紹介・PVなどを見ている限りでは友達が全然いなくて引っ込み思案で一人で雑草取りするしかない。加瀬さんと対称的なキャラクターなのかな?と思っていたら、映画スタートの時の加瀬さんとの電話シーンで、「あれ?めっちゃ元気な女の子じゃん!」ってなった。
付き合う前はどうだったのか詳しく分からないが、山田が元気な姿は見ていて嬉しくなる。
そして山田の天然っぽさが愛おしくなるほど。
高校3年生であんな初心で純粋な娘、どこにいるんですか!?
あ、あと、開始早々のシーンでベッドで足をバタバタするのめっちゃ可愛い。前にも言ったことあるかもだけど、聲の形で西宮が足バタバタさせてて女の子がこの行動するのめっちゃええやん!ってなってハマった。そして今回のあさがおと加瀬さんでは足バタバタの後に足をピンッとさせる描写があり、嬉しさで足をバタバタさせてたところ嬉しさが募りその興奮を身体の筋肉を緊張させることで、全身でうれしさを表していると考えるとめっちゃ可愛い生き物だ。山田のあどけなさ、最高。
次は加瀬さんだ。
陸上部のエースで友達も多く、充実しているのかな?と思ったら、学校でのシーンなどで描かれているが、周りからの頼みを断れない性格なのかなと感じた。
そんな加瀬さんが、自分の信念をもって緑化委員に従事している山田に惹かれないわけもなく……
あと、男っぽくて加瀬さんがリードしていくと見えるけど、知識が山田以上にあるからか(陸上部の仲間たちからいろんなことを聞いて性知識が豊富なのかな?)山田の天然発言に振り回されてるの可愛い。
短髪陸上部で男っぽいけど、垣間見える女の子の部分がなんてすばらしいことか。
でも、山田に食べ物を与える時の艶めかしい加瀬さんもいいなぁ。
加瀬さんは甘えられる存在が欲しかったのかもなぁ。
最後は三河。
何この聖人。
山田と加瀬さんの恋愛について見守ってあげてる……
なんてすばらしき友情かな。
付き合ってると知ったときの反応も女子同士ということを気にしていないし、修学旅行先で写真を撮ってあげようとするところからも三河の性格の良さが伝わる。
あと、今回の作品って主人公に感情移入するタイプの作品ではなくて、山田と加瀬さんの恋愛を見守る作品だから三河に共感してしまうのかも。
二人の距離感
この作品で一番もどかしさを感じる部分であり、一番の見どころだと思うのがこの二人の距離感だ。
付き合っているのだからべったりなのかと思えば、加瀬さんは仲間の誘いを断れない部分があって、学校で友人たちに連れて行かれるときに山田の方を向いて見せる申し訳なさそうな表情。
電話する時に許可を取って電話し、そのやりとりの初々しさ。友人同士での電話のやり取りではない緊張感と、山田の天然さと加瀬さんの妄想力もありちぐはぐとしたやり取りがこんなの外野の人間が見ていいのだろうか?という気分になる。
そして、一番気になる距離感が名前で呼び合っていないところなのだ。(もし、原作の漫画でこのことが描かれていたら申し訳ない)
「付き合ってるのに名字呼びかよ~」とかおっさんじみたことを最初感じたが、二人のほわほわとした世界に名前で呼び合わなければならないという先入観が否定されてしまった。
キスやそこから先のこと、などもそうかもしれないが、二人が心地よい距離感というものがあり、3歩進んで2歩下がるといったように徐々に二人の世界を創って行ってるんだろうな。
二人の距離感で特筆すべきものが2つある。
1つは、加瀬さんが山田の家に遊びに行った時のこと。ベッドに座っている加瀬さんの隣に山田が座った時に肩が触れ合ったところ。山田は無邪気な感じで全く意識していないけど、加瀬さんがめっちゃ意識している雰囲気。あれはいいねほんと。だから山田は何も気にせずに立ち上がるけど、その時の加瀬さんの物寂しそうな雰囲気。あぁ、なんて尊いことか。
その後も加瀬さんはキス以上のことをしようとし、山田を押し倒し胸を当てているが山田本人は頭がその状況についていけてない顔をしているところ、山田ぁ!お前はどんだけ純粋なんだぁ!
もう一つは舞台挨拶であやねるも言っており、インタビューなどでも述べられていたが、修学旅行の飛行機シーンで加瀬さんの後ろに組んでる手を山田が繋ぐところ。
個人的には、加瀬さんに寄り添いに行く山田というシチュエーションにかなり萌えを感じた。
男に囲まれていたところ助けてもらい、不安な気持ちを加瀬さんに溶かしていってもらっている。そのシーンを思い出しながら書いている今でも心が温まってくる。
これまで述べてきたように、この作品では二人の距離感に注目してほしい。
このシーンではこんなに近いのか!このシーンではなんで肩同士が離れてるんだろ。ここで近づくのか!といったように、二人の距離感に注目してみると恋愛のドキドキがこっちまで伝わってくるようだ。
そして最後、新幹線のシーンでの二人の寄り添った距離を見て、幸せに包まれるのだ。
鑑賞後に得られる多幸感
この作品は見ると幸せになれる作品。
二人の一生懸命な恋愛模様を垣間見て、もどかしい距離を劇場で感じて、劇場内だからこそ自分自身も声をあげて見れない緊張感がありそれがもどかしさになって二人のもどかしさとリンクする。二人の幸せそうな笑顔も見て自分も幸せになる。
なんたる好循環。
あと、男女でこれを見たら付き合うよってキャストたちが言ってたことが分かった気がする。
山田と加瀬さんのもどかしい距離を自分たちに重ね合わせて、山田と加瀬さんの幸せを享受したいと思う。ってことだろう。
私は舞台挨拶で見たから1人だったけどね!てか元々一緒に行くような奴いないけどね!てか恋愛のれの字も体験したことないけどね!
と、まぁ、一応形式なのでこんな僻みっぽいこと書いてみたけど、映画見た後でこういう僻みを思うようなことはないから安心せよ。
またあの幸せな雰囲気を摂取したいから見に行こうかな。
2018年は百合映画の年!
作品内容と直接関係ないが、今年は百合映画の年といって過言ではない!
百合っ気の多かったユーフォであるが、完全に百合へと舵を切ったリズと青い鳥。そして、百合漫画として有名な加瀬さんシリーズの映画化であるあさがおと加瀬さん。
この2作品が同時期に来るとは我々の時代来たれり。
リズと青い鳥では、付き合ってはいないけど山田と加瀬さん以上に通じ合っている二人が、しっかりとぶつからないこと・高校生だからこその悩み・不安による美しく儚い作品であった。
今回のあさがおと加瀬さん。は、付き合っている分関係値ではリズと青い鳥よりも上であるが、お互いの徐々に歩み寄る距離と幸せな空気で多幸感が得られる作品となっていた。
2作品とも違うアプローチでの百合の尊さというものを描いており、それを楽しむことが出来るのはなんて運のいいことか!
他のアプローチとしてはやはり同性愛だからこその背徳感というものか。
背徳感という点でアプローチした作品が今年出てきたら百合映画最強の年となるだろう。
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