特別編　響け！ユーフォニアム～アンサンブルコンテスト～　感想．「止まっていた青春が動き出した」

※ネタバレ有り

前作・誓いのフィナーレから4年の時を経て，ついにユーフォの続編が動き出した！！
制作が決定している3年生編までを繋ぐストーリーとして，中編映像化が今作のアンコン編．
ユーフォといえば全国に向けて部員たちが一丸となって練習することが印象的だが，今回はその点は薄め．
しかし，普段はフィーチャーされないコンクールメンバー以外に焦点があたることもあり，ユーフォの魅力の1つである高校生たちの人間関係・心の機微がよりしっかりと描かれていた．

1時間の短い中でも高校2年生で止まっていた俺たちの青春が動き出すことをありありと感じられた魅力・見どころを紹介．

「特別編　響け！ユーフォニアム～アンサンブルコンテスト～」公式サイト

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1.あらすじ

新部長・久美子を待っていたのは、アンサンブルコンテスト――通称“アンコン”に出場する代表チームを決める校内予選だった。

無事に予選を迎えられるように頑張る久美子だが、なにせ大人数の吹奏楽部、問題は尽きないようで……。

様々な相談に乗りながら、部長として忙しい日々を送っていた。

部員たちがチームを決めていくなか、肝心な久美子自身はというと、所属するチームすら決まっていなくて──。

2.止まっていた時間が動き出したOP映像

2019年に誓いのフィナーレが公開されてから4年間，我々の時間は止まっていた．
しかし，OPでこれまでのイベントの写真（新規カット多め）を振り返りから始まることで，「あぁ……これが俺たちの青春．そして，次の曲が始まるのです！」と心の中で叫んでいたよね．
ユーフォのいいところは，ここでメインの4人や低音パートのキャラたちだけではなく，吹奏楽部全員の色んな写真が見れるのがいい．みんながそこに生きていることが分かる．

また，このOPでは北宇治カルテットの4人がきららジャンプしているカットが結構好きなポイント．
こういうことしなさそうな久美子・麗奈が女子高生っぽいことやってるの好きなんだよなぁw

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3.アンコンだから描ける人間関係

これまでのユーフォは久美子の近く・低音パートやコンクールメンバーの人間関係が中心で描かれており，特にコンクールメンバーは香織先輩・あすか先輩・みぞれなど演奏が上手い人たちが中心だった．
しかし，自分たちでメンバーを集めて曲を選んで演奏するアンサンブルだからこそ，これまで注目されていなかったキャラが見ることができた．

アンコンのメンバー編成を見ても，1年生同士・2年生同士で組んでいるチームが多くて，こういう点にリアルさを感じる．
学年関係なくチームを組んでいるところもサックス三重奏・コントラバス二重奏・ホルン三重奏・打楽器七重奏といった普段のパート練習で顔を合わせているメンバーだし，学年・パート関係なくチーム編成をしたチーム高坂と奏ちゃんの平和主義チームの珍しさが面白いなと．
アンコン開催することを聞いてから各キャラクターがどんな風に会話をしてチームを組んでいったかが手に取るように分かるし．

コンクールはみんなが出たい一心で練習やオーディションに挑んでいるけど，アンコンは少しゆるっとしててやりたいことをやってる感じが新鮮だった．
吹奏楽に詳しくないけど，アンコンってこんな感じなのかな？

久美子たち1年生の時からのコンクールメンバーで全国に行ったエリートと，オーディションで落ちてしまっていた人たちの関係性がつばめを通して垣間見えていたのもいいよね．
部長・副部長にドラムメジャーの麗奈がいるチームとか怖い……w

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4.キャラクターの見どころ

部長としての久美子

誓いのフィナーレでも奏ちゃんが言ってたけど，久美子って人畜無害な雰囲気でふわっとしているけど，なんだかんだ人のことをしっかり見てるんだよな．今作でもみぞれが窓を開けるの上手いと言っていたが，本当にそう思う．

そんな意外と人のことを見ている久美子が，部長としてはまだ成長中だけど，各キャラと向き合うところはちゃんと部長なんだと思える描写が多かった．
アンコンの練習で，麗奈がいる状態じゃない練習場所を設けたり，葉月やつばめの演奏を見て的確にアドバイスをしていて，部長していると感動…

部員全体をまとめるのは苦戦しているが，部員からの信頼もありそうだし，3年生編までの間に挟むストーリーとして部長・黄前久美子を見ることが出来てよかった．

 

久美子と麗奈の関係性

アニメ1期から久美子と麗奈の粘度の高い関係性には幾度となく悶えてきたが，誓いのフィナーレを経てから部長・ドラムメジャーになってより熟成されている気がするw

1期の大吉山で演奏している距離感や，公開オーディションのやり取りから，誓いのフィナーレで後輩から距離近いと言われたり，久美子と秀一が付き合っているときの久美子と麗奈の関係性もよかったが，
それぞれが一緒にアンコンに出たいと思いつつも麗奈から誘ってくれるのを待ってる久美子な．
そして誘われるのが遅いからと拗ねてるところな．これが2人の愛w
部長・ドラムメジャーの立場がありつつも，こういうやり取りいいよなぁって．
また，アンコンの練習中に2人で喋ってるところ結構好き．平部員から北宇治を背負う存在に変わっているんだなぁと．

また，中盤で2人で廊下を歩いているところで肩をぶつけ合っているところ，いいよね．
もう，実質リコリコやw　CV.安済知佳もいるしw

 

奏ちゃん

誓いのフィナーレの頃から小悪魔っぽさがありつつも，夏紀先輩のことを「なんなんですか，あの先輩は！」や，終盤では「ハッピーアイスクリーム」と言ったりあざとさと可愛さが共存していて，
あまりあざといキャラを好きにならない自分でも結構気に入っているキャラになっていた．

そんな奏ちゃん，このアンコンではチーム高坂を敵対視してファイティングポーズを取ってるところとか，可愛すぎませんか？あざとさ狙ってる？もうこれ素ですか？可愛いんでなんでもいいですw
そのようなあざとさムーブをしながらも，このアンコンで部員の実力を見極めて自由曲も決めやすいと言っていて，ただ純粋にアンコンを楽しんでいるだけではなく小悪魔・奏ちゃんの真骨頂の分析力を発揮しているところがよかった．

これまでは後輩としてのムーブをしていた奏ちゃんだが，3年生編で2年生となった時にどんな一面を見せるのか，期待が高まる．

 

安定の3年生たち

3年生編の続編が決定していたが，そうなると夏紀先輩たちの声はもう聞けないのかなぁ…と残念に思っていたが，今作でなかよし川の2人にのぞみ先輩・みぞれ先輩も出てきてくれてよかった．
部活を終えてからも優子と夏紀先輩の喧嘩シーンが安定で嬉しい．大学でもその関係を続けてくれw

特に，ユーフォ1期の頃から夏紀先輩が好きだったから，夏紀先輩の声が聞けただけで感動ですよ．
あすか先輩・香織先輩が卒業して寂しさがあったが，3年生編になると優子や夏紀先輩が卒業してもういないんだな……辛い……

 

ようやく声が聞けた個人的モブ推しキャラ

ユーフォはメインキャラ以外も名前があって，キャラデザもしっかりとしているからモブキャラで何人か好きなキャラがいるんだけど，今回はそのうちの1人の声がようやく聞けた！！！長かった…8年も待ったぞ！！！

そのモブキャラが，コンクールでシンバルを叩いてるところが印象的なパーカッションの井上順菜ちゃん．
クールな雰囲気な子なのかな？と思っていたけど，久美子ともしっかりと喋っていて，活発ではっきりと喋ることができてるいい子でより好きになった．

なんか，北宇治の吹奏楽で奏ちゃんに「せんぱーい，なんかー井上先輩のことばかりみてませんか～」みたいにからかわれた捏造されまくった記憶が出来上がってるw

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感想

個人的にユーフォは人間関係のリアルさが好き．
今作では，アンコンチームの写真の各キャラのポーズからそこにはそれぞれの青春があるんだなって見て取れる．楽しそうにポーズを取ってて，女子高生たちっぽいというか．
同じ京アニ作品だとけいおんの放課後ティータイムもこんな雰囲気あったから，そんな青春がこの吹奏楽部員みんなにあるんだなぁって考えると，目頭が熱くなる．

4年ぶりのユーフォ再始動，3年生編へと繋がる物語としては今作は結構よかったと思う．
キャラ理解も深まったし，久美子が部長として成長していく1つの物語を見ることができた．
ただ，できればチーム高坂と奏ちゃん率いる自称平和主義の学内予選のフルの演奏シーン見たかったなぁ…

2024年4月から始まるユーフォ3期．
4年間止まっていた我々の青春がついに動きだし，高校3年生の物語を紡ぐことに．

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