劇場版ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリアのBDが発売され,ミト視点の特典小説が封入されていた.
内容としては,ミトとアスナが別れる原因となったネペント戦後のミト視点.
ミト視点の物語を読みたいと切望していたが,一番心に刺さる場面や…ミトを想うと辛い……
そんなミト視点のメモライブル・ソングを読んだ感想を書き連ねる.
映画本編の感想は『【解説】劇場版ソードアート・オンライン ―プログレッシブ― 見どころ・感想.「ミトの存在と原作との相違点」』に書いてあります.
「劇場版ソードアート・オンライン ―プログレッシブ―」公式サイト
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1.あらすじ
「ごめんアスナ、約束……守れない」
あの日。ネペントの大群を前に、親友を見捨てて逃げ出した罪は、ミト/兎沢深澄の心を深く苛んでいた。
救済、あるいは罰を求めてさまよう彼女は、第一層の最果て、《レーゼルの村》へと流れ着く。そこで待ち受けていたのは、二人のプレイヤーとの出会いだった。
一人は、アシュレイと名乗る洒脱な容姿の女性プレイヤー。そしてもう一人は、心に染み入る歌声を響かせる、ユナという名の少女。
彼女たちとの邂逅は、傷ついたミトの魂に何をもたらすのか――。
これは、アスナとの離別と、フロアボス攻略戦の間のミッシングリンクを埋める、もう一つの『星なき夜のアリア』の物語。
2.ユナとアシュレイ
この特典小説ではミト以外にユナとアシュレイが登場した.
ユナに関してはみんな当然ながら知っている通り,前作の映画であるオーディナルスケールのオリジナルキャラである.
ユナはSAO内で死が確定してしまっているし,オーディナルスケールの話や,OSのBD特典小説のユナの死の物語【記事はこちら】を考えると,登場するだけで心に……神田沙也加さんも亡くなってしまったし,ユナが本当にバーチャルの世界の存在になってしまったと強く感じてしまうし.
エイジはユナを守るためもあるが,臆病さが強くあり,ユナは一人でどんどん先まで進んでしまう強さ(弱さ)がある.いいコンビなんだけど,どうなっても道を別れてしまう運命なのかもしれない.と今回の特典小説を読んで思った.
前作の特典小説で,こんな死に方なんてないよ…って思ったけど,今作の特典小説で,エイジを置いて戦闘職タイプではない初心者で護衛にアシュレイは居ながらも先に進んでしまうユナはSAO世界でいづれ死んでしまう運命だったかもしれないし,SAOがクリアされた後もエイジとのルートは無かったのかなぁ…と.
アシュレイは知らない人も多いと思う(自分もそこまで詳しくない)
アインクラッドでは洋服店をやっていて,終盤のアスナの服はアシュレイが作っているらしい.
また,漫画『ガールズ・オプス』にも登場する.
(追加)
5層以降に結構アシュレイとミトが絡んでいることが10周年イベントで判明!SAO10周年イベント,SAOフルダイブの朗読劇の感想記事はこちら『【感想】SAOフルダイブまとめ「ミトの新設定と深まる25層の謎」』
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3.ギムレットとバイオレットフィズのカクテル言葉
作中でミトたち3人がバーに行くシーンが描かれている.
そこで,アシュレイが1杯目にギムレットを注文し,ミトが2杯目にバイオレットフィズを注文した.
この注文を見て,カクテル言葉を考えると寂しい気持ちになる.
ギムレットはアシュレイが注文したものだから,意図は特にないのかもしれないが,ギムレットのカクテル言葉は「遠い人を想う」「長いお別れ」という意味がある.
ミトはアスナが死んでしまったと思っているから,遠くに行ってしまったアスナを想うという意味があったのか…?また,アシュレイ自身の現実世界との長い別れという意味か?
ギムレットといえば「ギムレットには早すぎる」が有名だ.このセリフもあるため,自分は1杯目にギムレットを注文する場合はそれに意味を持たせたくなる.(バーで気分よく飲むときは最後にギムレットかxyzを注文する)
ハードボイルド小説「長いお別れ」に作中でギムレットは登場し,作中で2人の男が,バーでいつも最後の一杯にギムレットを注文していた.
しかし,この2人が別れることになる最後のバーでギムレットを注文した時に「ギムレットには早すぎる」と言い,別れたくないという意味が込められている.
このような,小説で描くならば特別な意味があるギムレット.それを1杯目に頼むという違和感.これは,ミトとアスナの別れを表現したシーンだったのではないだろうか.ただ,ギムレットには早すぎる.もっと2人一緒にいて欲しい.
また,ミトが2杯目に頼んだバイオレットフィズ.このカクテル言葉は「私を覚えていて」
ミトにとって「アスナを覚えていて」という呪縛ともとれるカクテルのようなイメージになる.(実際は生きているが,アスナを見捨ててしまったという事実は変わらないからか…)
また,バイオレットフィズに用いられているリキュールのパルフェタムールに対する記述が作中にあった.単純に紫色でミトのイメージカラーだからかなぁという印象もあるが,パルフェタムール自体に「完全なる愛」という意味を持っているし,パルフェタムールを用いるカクテルでおそらく一番有名なブルームーンがある.
ブルームーンのカクテル言葉は「完全なる恋」「叶わぬ恋」.「完全なる恋」の方はパルフェタムールから由来するものだが,問題は「叶わぬ恋」のカクテル言葉.
ブルームーンというのは,同じ月の2回目の満月のことを意味するものでもあるが,青い月があり得ないことという意味がある.そんな「あり得ない」という意味がある名前だからこそ,「叶わぬ恋」「不可能なこと」という意味になる.
このブルームーンはカクテル言葉を語るうえでは一番有名なものだ.2通りの解釈があるせいで,もしバーで告白した時に相手の女性がブルームーンを頼んだらOKかNGかが分からない(まぁ,基本はNGの意味だけどw).そのような大人な雰囲気をイメージするカクテルだ.
カクテル言葉で一番有名なブルームーンを想起させるパルフェタムール入りのカクテルのバイオレットフィズを作中で登場させたということは,ギムレットやバイオレットフィズにこのような解釈をして欲しいということだと思う.
ブルームーンを「完全なる恋」という意味で捉えるならば,SAO世界において「完全なる恋」はキリトとアスナのことであるだろうし,パルフェタムールの色が紫色であることから,ミトであると考えると,ミトによって作られるブルームーン.ミトとアスナの別れがあるからこそキリトと出会い,キリトとアスナでブルームーンを作り上げたという解釈か.
4.ミトへの想い
ミトのキャラソンのタイトルが「REGENERATE BRAVE」でミトとアスナのキャラソンのタイトルが「RECROSSING WAYS」
ミトは,最後の1層ボス戦で自分の体力がない中で身体を震わせながらもアスナを守りに行ったのは本当に勇気のある行動だった.まさに,ネペントの時には出来なかった勇気を湧き上がらせるからこそ起こせる行動(REGENERATE BRAVE)だと思う.
そして,2人で歌っている曲がもう一度交わる道という意味のRECROSSING WAYS.これは,交わってそのまま進んでいくのか,もう一度交わるのは1層ボス戦であって,もう交わることはないのか.ラストの歌詞で「二人の往く道が再び分かつとしても」とあり,また,別れてしまうのだろうか…
ミトは中学生なんだもの.デスゲームがスタートして3週間で,友人の死の瞬間を目の前にして自分を犠牲に出来る方が難しい.それは勇気とは言わず,蛮勇であると言って過言ではない.
クラインはその日に出会った人とはいえ,キリトは見捨てて走り出したんだし,アスナを守って1層を攻略していたことをぜひ誇りに思ってほしい.
キリトは中盤までクラインを置いていったことを引け目に感じていたが,ミトはこれまでもアスナを助けてきているし,ボス戦でもアスナを助けたし,たった1度だけ勇気が出なかっただけなのだ.そんなに自分を卑下する必要はない.
キリトにとってサチの死はアインクラッド時代常に付きまとっていたが,アスナは生きているのだ.だからこそ……いや,生きているからこそ,アスナの姿を見るたびに思い出してしまうのだろうか……
カクテル言葉でも考えたことだが,ここでギムレットとバイオレットフィズを出してくるってことはミトとアスナは別れを印象付けている気がして辛いんや.
映画公開前に,プログレで新キャラとかなんやねんww どーせ死ぬだけやろ.原作改変アレルギー発症するぞ.って思ってたけど,映画を見るたびにミトが好きになるから,ミトが辛い思いをしているとより辛くなる.
ゲームが好きな等身大の女の子がミトであるからこそ,より感情移入出来てしまうんだと思う.アスナ・キリトの物語に入っていけない視聴者の立場としても近しいものを感じて.
第2弾映画PVでミトの登場は確定した.ただ,雰囲気は明るくない.ミトはアスナのためを思って行動をしていたのだし,ドロップアイテムだってずっと持っていた.もっと自分に自信を持ってほしい.
アルゴなんてアリシ編までほぼ関わってなかったはずなのに,プログレではメインキャラだしアリシ後はバリバリ関わってきてるから,ミトだって大丈夫や.74層・75層ボス戦でアスナと関わってなければ特に問題ないw
ミトとアルゴを絡ませて攻略進めて行ってええんやで?
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アリシゼーション編のアニメでエイジとユナが出てきたから今のユナイタル・リング編がアニメ化した時にミト出てきて欲しい!!