劇場アニメ 青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない 感想．「僕たちはこうして大人になる」

※ネタバレ有り

青ブタの高校生編の完結となるランドセルガールの映画がついに公開！
アニメは2018年からだから5年だが，個人的にはさくら荘のアニメがやった後に青ブタ1巻が発売されてそこから読んでいるから約10年を経て高校生編完結を映画館で観れたことが本当に嬉しかった．

咲太たちと一緒に，我々もこうやって大人になっていっているんだなぁと．

また，青ブタは藤沢・江ノ島の雰囲気をしっかりと描いているから，聖地巡礼する人はこちらを参考にどうぞ！【青春ブタ野郎シリーズ　聖地巡礼マップ】

「劇場アニメ 青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」公式サイト

スポンサーリンク

1.あらすじ

三月に入り、三学期も残り１ヶ月。恋人の桜島麻衣の卒業式を迎えた梓川咲太。
七里ヶ浜の海岸で麻衣を待っていると、彼の目の前に子役時代の麻衣にそっくりな小学生が現れる―。
「おじさん、だぁれ？」
これは夢か幻か、不可思議な体験を思い返していた咲太のところに父親から電話がかかってくる。
「母さんのことなんだが、花楓に会いたいと言っててな」
それは、花楓に起きた出来事を受け止めきれず、長いこと入院していた母親から届いた「会いたい」という願い。
母の願いに応え、花楓と共に母親と会うことを決めるも久しぶりの対面の機会に緊張を隠し切れない。
そんな咲太の体には見慣れない傷跡が現れる。これは新たな思春期症候群の前触れか―。

2.見どころ

梓川家

母親が花楓に会いたがっているからと，父親の家に咲太と花楓が出向いて2年ぶりに家族4人が揃う時．
原作読んでいたから展開は知っていたので，咲太と母親に注目して見ていたけど，母親は咲太のことを一切見ていないし，咲太は母親と会話を全然していない．．．
スクールカウンセラーとの会話でも母親のことを普通と評していて，花楓が母親が好きなプリンを買っていきたいと言った時もあのプリンは花楓が好きだったんじゃないのか？と言っていて，咲太は母親のことをしっかりと見れていなかったんだなぁと．
何気ないシーンだけど，咲太と母親の関係にかなり自分を投影してしまった……
実際に自分にも妹がいて，別に母親との仲は悪く普通かなと思っているけど，妹と母親の距離感と自分と母親の距離感を比べると咲太に感情移入してしまう．
同じ立場だったら妹と母親を引き合わせるための役割出会って，自分も久しぶりに母親と会う子供であることは見ないようにしていたと思う．

 

保証する

青ブタ1作目のバニーガール先輩で麻衣さんのことを忘れてしまった時に，咲太がテスト中に「保証する」と漢字を書いた時に麻衣さんとのテスト勉強のことを思い出して校庭に出て公開告白するシーン．
それを高校生編のラストでは今度は咲太がみんなから見えなくなり，麻衣さんが咲太の手紙を見てから学校で2人が出会う．
まさしく高校生編のラストに相応しいシーンだった．

アニメを何度か見返しているが，3話の公開告白のところで咲太の元に麻衣さんが来た時に今回こそはビンタされずに抱き着かれるかと見ていたが，今回でようやく抱き合うようになったんだなぁ…

 

咲太の成長

花楓のことがあってから咲太は花楓と2人で暮らしながら高校に通っていた．
金銭的には親に依存しているが，自分もバイトをしていて解離性障害の妹との生活ではほぼ1人で全てのことをしなければならなかった．
そんな咲太には病気の母親のことを気遣っている余裕なんてなく，生きていくのに必死で，ようやくその生活に慣れて，高校2年生で大人になっていたんだ．

その咲太が今回の思春期症候群を経て，母親のことを認めて，母親に対して感謝することを覚えて，より成長することができた．
前作の映画のように時間を何度も行き来して翔子さんを救ったりなど大掛かりな展開はないが，様々なヒロインの思春期症候群を解決しつつ，最後に花楓と自分の問題を解決して高校生の不安定な状態からより大人に成長する咲太．
別世界の咲太のようにとまでは行かなくとも，この世界の咲太なりに母親との関わりを見つけていってほしい．

あ，あと，パンツ穿いていたから寝ている間に大人にはなってませんよね……？僕の麻衣さんに大人にさせられたいです．．．

 

霧島透子

おでかけシスターの時に霧島透子の名前が出てこなかったから大学生編のアニメ化はやっぱりないのかなぁ……と思っていたら，
今作では霧島透子が出てくるし，最後に翔子さんが沖縄に行くところのシーンもあり，大学生編の制作決定！！

いやぁ．高校生編が終わり，青春がついに終わる……と思っていたから，新たな青春をまた見ることが出来ると思うととても嬉しい．

謎のシンガー霧島透子．翔子さんが体験した未来にも居なくて，別の世界の咲太が知らないアーティスト．
原作でもまだ明かされておらず，大学生編のキーパーソン．原作ストック的に完結までにもアニメ1クールは十分作れるし，ゆめみるのようにアニメの後に最後は劇場版で締めてもらってもいい．

スポンサーリンク

3.ドラマＣＤ「青春ブタ野郎はスイートタイムの夢を見ない」

劇場パンフレット（豪華版）にドラマCDが封入されていた．
時系列的には映画の後で麻衣さんが風邪をひいてしまい咲太たちが看病をする話．

咲太が麻衣さんの看病の手際がかなりよく，これも母親がいない咲太が一生懸命に大人になろうとしたからできるようになったことなんだろうな……
1人で食事を作って，解離性障害の花楓・かえでの面倒を見ていたのだから……

そして，お粥を作る時に梓川家のお粥を作っていて，今回の映画を経て母親との関係が変わっていることも見て取れるし，梓川家のお粥を将来のお嫁さんの麻衣さんに食べさせるとは，なかなかエモい．．．

スポンサーリンク

4.特典小説「青春ブタ野郎はアニマルランドの夢を見る」

時系列的は映画の後で大学生編までの間の咲太が高校3年生の春の時に，花楓がバイトをする話．

あれだけ家が大好きだったかえでから花楓になり，卯月との出会いや高校受験を経て「普通」とは違っても通信制高校に進学することを決めてバイトを始める花楓．
成長スピードが凄まじいっすよ．．．
高校までは普通に通学が出来ていたけど，その後に普通に働くことが出来ずにニート化してるワイなんて，今や髪の毛が赤くなってて社会になんて戻れなくなってるからな……ww

また，バイト代からのどかや麻衣さんにプレゼントを買おうとするのも凄いよなぁ．．．
花楓は一生懸命に生きているだけで泣けてくるのに，そんな花楓からプレゼント貰ったらもう大泣きだよ．．．

スポンサーリンク

感想

青春がまた一つ，終わりを迎えた……
こうして高校生編を最後までアニメで描いてくれて本当に良かった．
ラスト2作品は花楓と咲太の話で，高校生・学校での青春ラブコメとは一味違うが，これまでの咲太たちが紡いできた物語があるからこそ描けた2作品だし，みんなそれぞれ悩みがあるからこそ，花楓に共感したり，咲太に共感したりして青ブタの世界を楽しめたのだと思う．

映画観て，翌日に早速藤沢・江ノ島に行って咲太たちの高校生活を振り返り，自分も青春の1ページを終えてきた．
もう何度も行っているのに，今回は彼らの足跡をたどるだけで泣けてきた……
ただ，七里ヶ浜で夕焼けを見ながら30分くらいランドセルを背負った小学生の麻衣さんを探してたけど残念ながら見つけることが出来なかったのなんでや…ww
江ノ島や七里ヶ浜に行くとこの場所で青春を過ごした無いはずの記憶が蘇ってくるんだよな……別の世界線だと峰ヶ原高校に通っていて麻衣さんや古賀たちと出会っていたのだろうか．．．

おでかけシスターでは世間の普通になれない花楓に自分を重ね，ランドセルガールでは大人になった自分と家族との関わり方について考えさせられた．
単純にヒロインたちとの青春を楽しむ物語ではなく，自分の生き方に新たな視点を与えてくれる作品であり，人生を彩る作品の1つとなった．

大学生編のアニメ化が待ち遠しい．

---