11/11のすずめの戸締り公開に先駆けて,11/7に実施されたIMAX先行上映に運よく参加!
君の名は。が大ヒットして以降,新海作品の注目度が急上昇.秒速の頃ってオタクたちしか騒いでいなかったような…ww
まぁ,作品が広く楽しめるのはいいことなので,この感想記事で少しでも理解の助けになればいいなぁと.
すずめの戸締りを見て,この作品は君の名は。から始まる新海3作品の完結にして,この3作品を通して1つの大きなメッセージだったんだと気付いたので,その点を中心に紹介します.
あ,あと,日比谷でIMAX先行鑑賞したから帰りに御茶ノ水に寄って最速聖地巡礼してきましたww
すずめの戸締まり最速聖地巡礼
後ろ戸の場所ここで正解??#すずめの戸締まり pic.twitter.com/GOglC1nyw8
— ✞ 7 号 機 ✞ (@7_7__7_) November 7, 2022
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1.あらすじ
九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、
「扉を探してるんだ」という旅の青年・草太に出会う。
彼の後を追って迷い込んだ山中の廃墟で見つけたのは、
ぽつんとたたずむ古ぼけた扉。
なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが…。
扉の向こう側からは災いが訪れてしまうため、
草太は扉を閉めて鍵をかける“閉じ師”として旅を続けているという。
すると、二人の前に突如、謎の猫・ダイジンが現れる。
「すずめ すき」「おまえは じゃま」
ダイジンがしゃべり出した次の瞬間、
草太はなんと、椅子に姿を変えられてしまう―!
それはすずめが幼い頃に使っていた、脚が1本欠けた小さな椅子。
逃げるダイジンを捕まえようと3本脚の椅子の姿で走り出した草太を、
すずめは慌てて追いかける。
やがて、日本各地で次々に開き始める扉。
不思議な扉と小さな猫に導かれ、九州、四国、関西、そして東京と、
日本列島を巻き込んでいくすずめの”戸締まりの旅”。
旅先での出会いに助けられながら辿りついたその場所で
すずめを待っていたのは、
忘れられてしまったある真実だった。
2.登場人物
岩戸鈴芽CV.原菜乃華
九州の静かな町で、叔母と二人で暮らす 17歳の女子高校生。
広大な廃墟の中、幼い自分が草原を さまよい歩く不思議な夢をよく見る。
宗像草太CV.松村北斗
”災い”をもたらす扉を閉める「閉じ師」の青年。
扉を探す旅の途中ですずめと出会うが、 ある出来事をきっかけに、
すずめの椅子に姿を変えられてしまう。
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3.ポイント
すずめの戸締りを鑑賞して,特に気になった事柄について個別で紹介します.
また,最後に来場者特典の新海誠本を読んだ感想も!
3.1.3作品を通して描き切った災害
君の名は。では彗星が落ちてくる災害.
天気の子は異常気象・豪雨の災害.
そして,今作のすずめの戸締りでは地震の災害.
3作品ともに人の力ではどうすることもできない何かしら自然災害を根底にボーイミーツガールを描いていた.
このすずめの戸締りを見て,新海監督はこれを描きたかったんだなと感じた.
隕石→豪雨で今度は地震か~と思いながら序盤を観ていたが,神戸に行ったときに,神戸で地震と言えば阪神淡路大震災だよな…?と感じて,要石が東にもあって100年前と言われたら関東大震災だよなぁ.と思い,東京出発するときに場所は明言されていないが,この流れだと100%東北だな.と分かる構成.上手いなぁと感じたし,君の名は。から一貫して災害を描いていたのは根底に東日本大震災があったんだと腑に落ちた.
東日本大震災以降,この震災を扱った作品は数多く存在している.有名どころでいえば,君の名は。と同年に公開されたシンゴジラがそうだ.
シンゴジラの頃は震災から5年で,みんなの記憶もまだ鮮明な状態で災害と日本を描いた作品で,
それ以降も福島・東北の復興を描いた作品がいくつかあるが,
今作は,2022年となると10年以上が経過したからこそ,描ける作品になったと思う.
震災を明確に知らない,幼少期に体験した世代が女子高生になっている時代.
震災を知る人たちからするともうそんなに時間が経ったんだなぁと思うと共に,震災の記憶がない世代にも届けられるのは大切だと思われる.
自分が阪神淡路大震災を伝聞でしかしらないように,東日本大震災を伝聞でしか記憶が無い世代が高校生なのか……
3.2.すずめが死ぬのを怖がらない理由
すずめに対して「死ぬのが怖くないのか?」と問うと,「死ぬのは怖くない!」と答えるシーンが何度かあって,普通の女子高生っぽいのになんでこんなこと言うんだろう?
叔母さんと過ごしているけど,親は病気か事故で亡くなってしまったのかな?と愛媛くらいまでは思っていたが,最終目的地が東北であることが暗示され,そこがすずめの地元であることが明言されたときに,
あぁ,すずめの親は震災で亡くなっていたのか.そして,東日本大震災で母親含めて多くの人が死に,幼少期に人の死というものが身近にあったからこそ,自分の死に関する恐怖がないんだ.と気付かされた.
ある程度年齢を重ねた時に被災していると,突然の死に襲われる恐怖が倍増するのかもしれないが,幼少期に被災したからこそこのような考えになったのだなと.
すずめの精神状態や言動が等身大の女子高生と少しズレている気がしたのはこういう点だったのだろう.(これは自分の世代の女子高生像がそうなだけであって,もしかしたらすずめと同じ境遇を持つ今の女子高生だとこれが等身大なのかもしれないけど)
3.3.今作における青春
新海作品と言えば,ボーイミーツガールの青春だ.
ただ,今回は青春性はこれまでに比べて青春性は希薄だったように思われる.
すずめと草太が君の名は。や天気の子のように同年代ではなく,女子高生と大人びて見える大学生の歳の差のせいかなぁと思ったが,言の葉の庭の方がもっと歳の差があるし…
草太の大半が人の姿ではなく椅子の姿だったからか?
自分が感じたのは,恋を描きつつも,あえて希薄な印象を与えるように作られている気がした.
叔母の環との会話や,愛媛の千果との話で別段恋を避けている訳ではないし,椅子の姿の草太にキスしたり,座ったり乗ったりして戯れたりしているが,恋愛面の青春ではないように思えた.
今作は,自分の死を恐れない,等身大の女子高生から少しズレているすずめが,草太と出会って日本中を大冒険し,草太を選んでダイジンを失うことで,人間性の成長の物語であり,
具体的には相手が草太という男じゃなくとも,誰かと出会って大冒険をする青春物語だったのではないだろうか.
3.4.新海誠本
来場者特典として新海誠本が配布された.
この新海誠本にはすずめの戸締りの企画書や,君の名は。からの3作品について監督へのインタビューが書かれていた.
この新海誠本を読んで,やっぱ君の名は。からの3作品を通して災害を描いていたんだなぁと確認できたと共に,個人的には見逃せない一文があった.
本を持っている人はぜひ確認して欲しいが,6ページ目の左段の中段に今作のプロットの話があり,その部分に「その頃のプロットでは~少女二人のロードムービーだったんです」と書かれているではないか!
これってもしかして,ボーイミーツガールではく,ガールミーツガールが描かれる世界線もあったということか!?!?個人的にはぜひともその世界線を観たかったのだが!!!
今のリソースで新海監督の百合作品が描かれたらとても美しい物語になると思う.
だから,次作で……ぜひ……w
あと,このプロット段階で少女二人のロードムービーだったというのを知って,さっき今作における青春は恋愛面の青春ではないように思えて相手が草太という男じゃなくてもいいのでは?という印象が確信へと変わった.
この誰かが草太ではなく閉じ師の女性(女子大生?)だったかもしれないし,その女性(が中身の椅子)と旅をしてもすずめは同様に成長をしたはずだ.
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おもしろくなかった
なんそれ