シンエヴァ終盤に,以前より予想されていた通りにマリが冬月研究室のメンバーでユイやゲンドウとも関わりがあったことが確定.
これでまぁ,一安心だ.何も考えることはなくなったな.
と思っていたら,冬月が最期にマリのことを「イスカリオテのマリア」と呼んで疑問が湧き上がる.
そして,マリがミサトさんの最期の願いを叶えるためにシンジを迎えに行って大団円.
と思っていたら,まさかまさかのマリエンド!?アスカ・ケンスケエンドだけでも驚きがあったのに,ラストに爆弾があったぜ…アスカ・ケンスケエンドについて『【考察】シン・エヴァンゲリオン劇場版 アスカはなぜケンスケと結ばれたのか』という記事を掲載しています.
マリア=聖母マリアだと思っていたのだが,新しい切り口のコメントが寄せられたため,今回はそれを個人的に解釈して考察したものを掲載する.
Keyword:イスカリオテのマリア,真希波・マリ,碇シンジ

・目次
1.準備
1.1.マリのプロフィール
1.2.「イスカリオテ」とは
1.3.2つの「マリア」
2.考察
2.1.マリの裏切りとは
2.2.聖母マリアと碇シンジ
2.3.マグダラのマリアと碇シンジ
3.総括
スポンサーリンク
1.準備
1.1.マリのプロフィール
本名は真希波・マリ・イラストリアス
ユーロ支部所属のエヴァパイロット.
破では仮設5号機に登場し第3使徒を殲滅し,弐号機で裏コード「ザ・ビースト」を発動させる.
Qでは8号機に搭乗.
シンエヴァで確定した情報として,冬月研究室のメンバーで,ユイとラボメンだった.
これは漫画版でも描かれており,16歳で飛び級して大学生だった模様.
エヴァパイロットは14歳のはずだが,もし漫画版の設定を引き継いでいたらマリは16歳になってしまう.
エヴァの呪縛で14歳の時にエヴァに搭乗した設定があれば理解できるが,セカンドインパクト前だ.それに,胸の大きないい女が14歳の身体とは思えない.
1.2.「イスカリオテ」とは
「イスカリオテ」ってなんだろうなぁ…とググったら「イスカリオテのユダ」が出てきた.
そう,この「イスカリオテのユダ」は有名なイエスを裏切ったユダだ.
つまり,イスカリオテのマリアという名前には裏切り者のマリアという意味だ.
1.3.2つの「マリア」
マリア=聖母マリアと思っていたけど,マリアには他にも意味があると教えて頂いたので紹介する.
考えられるマリアには以下の2つの説があるようだ.
- 聖母マリア
- マグダラのマリア
聖母マリアは一番有名と言っていいマリア.
イエスの母であり,ヨセフの妻である.
マグダラのマリアは知らなかったのだが,イエスの妻とされる人物だ.
本当に結婚しているのか結婚していないのかは色々と説があるらしい…
また,復活したイエスを最初に目撃した女性とされている.
宗教は詳しくないため正確な設定は分からないが,ここでは聖母マリア=イエスの母,マグダラのマリア=イエスの妻とする.
2.考察
マリに関する前提知識と,シンジに必要なものが「母親」というアスカのセリフからマリの裏切りやマリエンドとして考えられることを紹介する.
2.1.マリの裏切りとは
マリは冬月ラボのメンバーだった.そして,ゲンドウもユイも冬月ラボと関わりがある.
アニメ版の設定だが,ユイ・ゲンドウ経由で冬月がゼーレと関わった.
よって,マリも同様にゼーレ・人類補完計画を知っており,関わりがあったと予想される.
しかし,マリはゼーレの目的に反して人類補完計画を目指さなかった.
よって,人類補完計画を目指さないことに対しての裏切り者として「イスカリオテ」と呼ばれていたのではないだろうか.
私は,破の段階では裏切っておらず,ニアサーの後にゼーレを裏切ってヴィレに所属しエヴァ8号機パイロットとして戦うようになった時にゼーレ・NERVから裏切り者と言われたと考える.
スポンサーリンク
2.2.聖母マリアと碇シンジ
ヤマト作戦前にアスカがシンジに必要なものは恋人ではなく母親であると言っていた.
カヲル君に関する考察の『【考察】シン・エヴァンゲリオン劇場版 渚カヲルは何者か.渚司令から考えられること』で書いたように,カヲル君には父親としての役割があると考えている.
よって,シンジにとって「本物の父親のゲンドウ」と「父親の役割があるカヲル君」.「本物の母親のユイ」と「母親の役割があるマリ」のように対比があるのではないだろうか.
アスカが恋人に父親を求めているように,シンジは恋人に母親を求める必要があり,それに適する人物は母親の役割を持ったマリとなる.
恋人に父親を求めるアスカと恋人に母親を求めるシンジは結ばれることはできず,NERVに決められたエヴァに乗る・シンジを好きになるという道から違うところに飛び立ったレイは結ばれることもない.シンジの恋人として母親としての意味も与えられる存在がマリのみ.
だから,聖母マリアの名前を持っているマリがシンジと結ばれた.
2.3.マグダラのマリアと碇シンジ
マグダラのマリアは救世主イエスの妻である.
エヴァの世界で救世主と言えば,人類補完計画以外の選択肢を掴み取りNeon Genesisの実現に大きく貢献したシンジだ.Neon Genesisやそれぞれの目的については『シン・エヴァンゲリオン劇場版 エヴァの真相・考察・まとめ(ゲンドウの目的と人類の選択)』でまとめてあります.
よって,シンジの妻という意味でマリアと呼ばれたのではないだろうか.
また,マグダラのマリアは復活したイエスを最初に目撃した女性である.
シンエヴァラストの駅のホームでシンジの前に最初に現れた女性もマリである.
このつながりから,マリにはマグダラのマリアの意味があったのではないだろうか.
3.総括
マリは人類補完計画を裏切ったため,裏切り者の烙印として「イスカリオテ」の名前で呼ばれるようになった.
そして,シンジの恋人として,「母親」を意味する聖母マリアと「妻」を意味するマグダラのマリアのどちらか,もしかしたら両方の意味をこめて「マリア」と呼ばれたのではないだろうか.
ただ,どちらのマリアの説でもマリ=マリアになるためにはシンジの恋人になることが必須.
マリは破で「自分の目的に大人を巻き込むのは気後れするなぁ」って言っており,もしこの目的がシンジの恋人になることと考えるとどうだろうか.
シンジの恋人になるためには人類補完計画を裏切ってNeon Genesisを目指す必要がある.冬月はNeon Genesisが実現されるとマリがシンジの恋人になることを知っていた.
だから,「我々を裏切ってシンジの恋人になる女」=「イスカリオテのマリア」と呼ぶようになったのではないだろうか.
この結論だと,マリの印象がかなり怖いものとなってしまうが……
スポンサーリンク
自分の考察は、ユイとマリが全て計画し、オリジナルのアスカの卵子提供者がマリではないか(代理出産)。マリのアスカに接する感じは赤の他人とは思えない。その後、コールドスリープなどで眠り、ゼーレがパイロットとして眠りからさます破の世界まで待った。おそらく全て必要な手順だったのだろう。アスカのクローンが使徒になるのまで計算されていたのではないか?その後シンジを助けるまでユイとマリが計画を練っていたのではないか?
なるほど。
後はなぜエヴァとシンクロできるかだろうか?
初号機には碇ユイが二号機にはアスカの母親が
取り込まれているという設定じゃなかったっけ
今回、取り込まれている設定を明言しているのは『1号機(初号機)』のみ。という事なんじゃないかなぁと。
考察を読ませて頂きありがとうございました。
マグダラのマリアは「携香女」「亜使徒」の称号を持つとされていますね。
新約聖書では神の子の復活を目撃する役目を負っています。その際縋りつこうとするマリアに「すがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへ上っていないのだから」とイエスに窘められたそうです。
純粋な聖母マリアの意味では無く、ユダの後に十二番目の使徒に座したマティアが訛ったものであるとも考えられませんか?
そもそも、イスカリオテ、という言葉自体はカリオテ(村)の人ぐらいの意味のようです
ただ、仲間内で気取ってそうよんでいた可能性はあるなぁと思いました
っていうか
アスカの母親のじさ○シーンはなかった事になってたのだろうか…
最後の海辺でシンジがお礼を言ったのは惣流なのか式波なのか…それとも記憶が統合を?
まあ、きっちりしめるつもりなら謎残すなよ…とは超個人的な見解です
なるほど。
結局マリ視点から見ると
レイ→ユイのクローン
アスカ→父母不明のクローン(後に使徒化)
渚→ゼーレが用意した人造人間
インパクト回避後にオリジナルの人として継承されるのがシンジと自分になるだろうと目論んでいたわけだ。
ネルフ所属時には全力で使徒殲滅に尽力し、ヴィレ所属時にはもっぱらアスカのサポートに徹していたのも生き残るための計算だったのだろうか
しかしこれは人類補完計画の概要と全体像が分からなければ行動できない
生前の葛城博士とも繋がりがあったと思われる
自分はマリが裏切ったのはゼーレではなく、アダムだと思っています。
まず使徒と一体化していないのに歳を取らない理由ですが、マリはカヲル君のように最初から生命の実(S2機関 エヴァの呪縛)を持ったアダムベースの存在で歳を取らないのではと。
ユイやゲンドウが大学にいた1999年に16歳だとすると、マリの歌う昭和ソングは少し古く、(三百六十五歩のマーチは1968年)とEVAができるもっと前から歳を取らない存在であったのではと思います。
そしてマリは人間タイプのカヲル君のような第一使徒として存在するはずだったが、アダムを裏切りリリンについた。
そのためにマリが本来使うはずだったネブカドネザルの鍵がロストナンバーとなり13の席が12になる。
そして鍵はマリと一緒に北極から来た梶さんからゲンドウに渡り、ゲンドウが改めて第一使徒のマリの鍵を使うことで、ゲンドウが第1使徒となり、カヲル君は第13使徒に堕とされる。
この時にマリが言った「無いはずの13番目!?ゲンドウ君の狙いはこれか!」は自分が裏切り欠番となったはずの13番目にカヲル君がきたことで全てを察知したのかと思います。
自律しているアダムスの器のmark10等を吸収することができたのも、8号機の力だけではなく、使徒に近い存在であるマリだからできたのかもしれません。
そして知恵の実がないからこそリリンの文化や知恵を求めて、部屋を埋め尽くす大量の本なのかと。
納得しすぎて泣いた。
間違いない。
ありがとうございます。
なるほど!
この考察を読んで思いついたのですが、第一使徒のことを「アダムス」と呼び、4体いることから人型の第一使徒(カヲルくん)と同じようにマリもその4体のアダムスのどれかだったのではないでしょうか??
でもそうするとあと2体は誰なんだよってなりますね…
イエス・キリストの十二使徒は十二人だけですので、十三番目の席は無いと思います。
そのセリフは単にゲンドウが鍵を使って使徒になった事を示唆しているのみだと思います。
そして、マリがカヲルと同じく生命の書に名前を連ねていると云うことは、円環の理の中にいると云うことですが、それではシンが終わりカヲルの円環の理の目的である「シンジを幸せにする」という目的が達成されたとき、マリのループまで終わってしまった理由に説明がつきません。
カヲルと同じ目的だったとしても他の世界線でシンジにコンタクトを取らなかったのはおかしいですね。
自分が思うにマリは、二号機の中に存在するアスカの母親(=オリジナルのマリ=惣流・キョウコ・ツェッペリン)をサルベージしたクローン体真希波・マリ・イラストリアスですね。そう考えれば、ザ・ビーストを知っている理由、アスカへの度を越えた、愛情にも似た扱いや「姫」呼びにも納得がいきます。そしてアスカに対しては聖母マリア(母親)として、シンジに対してはマグダラのマリア(妻)として冬月にイスカリオテのマリアと呼ばれたんですね。本は普通に、オリジナルの影響で好きなんでしょう。
余談:
破「三百六十五歩のマーチ」とシン「真実一路のマーチ」は共に水前寺清子の歌だが、水前寺清子はデビュー時の芸名に「東京マリ」という名を検討していた時期があり、これもダブルミーニングになっている。
Qの天地真理「ひとりじゃないの」は言わずもがな。
こちらはちょっと深読み気味だが、シンでマリは「世界は二人のために」も歌っていて、この歌手の佐良直美は一時期同性愛者である旨のすっぱ抜きがあり(後年、本人はこれを否定しているが)漫画版でユイに恋愛感情を示し、新劇でもアスカに対し若干百合気味のマリが歌う「二人」がこの経緯を知っているとやや意味深に伝わる。
世界は二人のためには、ゲンドウとユイの
事だと思ってた。
そうだったのかも知れませんね。
マリとくっついたみたいな考察動画うざい
あれは、完全に母親代わり。
マリは好きな人の子供を死ぬ気で守った。
劇中で一度だけユイさんっていう台詞も
守ったよ~って感じがして泣ける
ケンスケとアスカも恋人ぽく描かれたけど
違う。あれは庵野のミス。
マリは最後オバチャンぽく描いて欲しかった。
美化しすぎ。
真希波・マリ・イラストリアス、本当に謎の女
明らかに物語に深く関わっているのに、こいつが誰なのか、どんな暗躍をしてきたのか、何がしたかったのか、匂わされるだけでサッパリ分からん。新劇場版内で何も説明されないんだもん。
説明されないと言えば、二次創作”シンジ「なにがQだよ!!」”には笑った。本当に何も説明もされず現状もわからないのに女性陣から責められて振り回されてシンジ君は可哀そう。
そこで思った。物語が主にシンジ君視点だから視聴者の私も分からないのだと。
他の人物の視点で新劇を見れれば、というかマリ視点なら真希波・マリ・イラストリアスが何なのか分かるんじゃないかと考えた。
なんかTVにも旧劇にもいなくて、色々な事情通でゲンドウ・ユイの同世代っぽくて同じ大学にいて係わっていて、なのに年を取っていない?で何故かエヴァに乗れてチルドレンに構い、陰謀阻止のため暗躍?していてバットエンド回避、ハッピーエンド後には主人公をかっさらっていく……なんか、こんな奴知ってるぞ。読み漁ったもん。
ズバリ、オリジナル主人公。今でいう所の転生者。
結論。真希波・マリ・イラストリアスは庵野のエヴァ公式二次のオリジナル主人公。
新劇はマリ主人公の話をシンジ視点で見せられていたんだ!
たしかに。90年代後半のネット同人小説にはこんなふうに力技でバッドイベントを握り潰してハッピーエンドへ導くオリジナル主人公たちがたくさん登場して鬱展開を救っていましたね。(ネルフ組織の内部分裂で優秀かつ特殊な訓練を受けたエージェントが裏切るのはもはやテンプレート)
僕もその頃を読み漁ったタイプのリリンです。梶さんの同僚とか無限に生成されていましたね。懐かしいですね。
あの展開から嫁はありえない
そんなのエヴァじゃない。
自分が思うのは、マリ=嫁=モエコ
シンジ=庵野
マリは、モエコモデルだよって意味なんじゃない。
モヨコ
解説ありがとうございます。
大変面白かったです。
一つだけ質問なのですが、結局、ラストシーン(駅のホーム)のマリの年齢はどのくらいなのでしょうか?
見たところシンジと同じくらいの年齢のように見えました。
シンジは14+14で28歳くらいでしょうか。
でもマリが冬月やゲンドウと同じラボメンだったとしたら、ラストシーンでシンジと同じ年齢ぐらいって可笑しくないでしょうか?
ここの所はどう解釈したらよいのでしょうか?
教えていただけると助かります。
コメントありがとうございます.
肉体的な年齢はエヴァの呪縛が解けてから経った年数分だけ成長していると考えています.(レイ・カヲル・アスカも20代くらいに成長している)
2人のやり取りからシンエヴァの世界線から地続きのようなので,
「エヴァのない世界を選ぶ→エヴァの呪縛が解ける→その時点から肉体が成長する」
と考えて,肉体は同じくらいの年齢だったのかなぁと.
納得できました。
ありがとうございます。